コマツの栗山和也氏に取材にご協力いただき、大阪工業大学の皆川健多郎先生に、「コマツ流“つながる工場”」と題して取材した内容について執筆いただいた。
同社のつながる製品への取り組みとしては、機械稼働管理システムKOMTRAXが有名であるが、本記事では、つながる工場への取り組みを中心に説明いただいた。同社では、自社工場の生産改革だけではなく、工場が協力企業、代理店、さらに建設・鉱山機械などの稼働現場やお客様とも直接つながる「つながる化」をめざしている。
同社は自社のモノづくり現場において、つながる工場の実現に向けて、ICTを活用して生産から販売まですべての工程がリアルタイムに連結/循環する統合システムを構築してきた。例えば、溶接においては、溶接コントローラをネットワークに接続することで、海外拠点にマスターデータを展開したり、海外拠点での品質の見える化を実現した。また、機械加工においては、解析・制御・プロセス改善を支援する外づけのコントローラを開発・導入し、加工時間の短縮を実現している。
このように、工程に潜むムダを見える化して状況を解析し、解析結果をもとに制御を行うことで、徹底したムダの排除を行っている。IEの基本的な考え方に沿い、ICTを活用することで改善活動を加速させて成果を出している。さらに、つながる工場の取組みを社内にとどまらず、現在は協力企業にも展開・促進している。